キャストアウェイ(2000年)
キャストアウェイ 2000年
監督 ロバートゼメキス
脚本 ウィリアムブロイルズジュニア
個人的好き度 ★★★★☆
監督であるロバートゼメキスは、バックトゥーザフューチャーシリーズをはじめ有名な作品を多数残している著名の監督ですね。
今回キャストアウェイを観ようとおもったのは、最近呪術廻戦というアニメを観たときにこの「キャストアウェイ」がでてきたからです。
(ちなみに呪術廻戦本編にはあまり関係ない)
ということで2時間半近くある長い作品ですが観ることにしたというわけです。
全体の映画の印象としては『真面目で丁寧』という感じでした。
たっぷり、じっくり、わかりやすい。
全体を通して主人公の置かれた状況、それによる心情が伝わってくる映像・演技でとてもよかったです。
あらすじとしては、
ひとりの男が飛行機事故で漂着して無人島に流れ着き、そこで生活をするという話でありました。
冒頭20分は、流される前の主人公。
職場やタイマーのシーンでは厳しい一面を示しながら、友達の妻のガンを心配する側面もあり、真面目で思いやりのある主人公のキャラクターがしっかりと伝わってきました。
無人島に流されてからも、
とにかく分かりやすいなぁという印象でした。
無人島に独りなので、人物との会話で状況の説明をしたりできないため、映像で見せるしかない。
そんな中で、主人公のやりたいこと、周りの状況が分かる画面作りによって、セリフが少ないながらも状況・展開がしっかり伝わる映像となっていました。
脚本もとても上手かったです。
ストーリーとしては「無人島に漂着した男がサバイバル生活をして脱出する」というシンプルなものではありましたが、
同じ島・同じ登場人物しかないため、ともすればワンパターンになってしまう。
しかし、そこを上手く展開や漂着物を使って、登場人物が1人ながらも飽きさせない展開・演出となっていました。
まあしかしですよ、1人にはどうしても限界があるわけでして、セリフも少ない、映像、展開もいっぺん通り、脚本の限界もくるわけですよ。それは主人公も同じで絶望的な無人島で独りで生活するのは辛いわけですよ。
そんな、展開のマンネリ化と主人公の孤独を解消してくれたのが、ウィルソンです
ウィルソンの存在が本当に映画の横幅と奥行きを作り出していました。
ウィルソンを生み出した脚本は素晴らしいとしかいいようがないです。ありがとうウィルソン。
その後の
4年後からはめちゃくちゃ面白かったです。いきなり銛で魚を取りだし、めちゃくちゃ適応してるやん!となるし、ウィルソンを蹴飛ばしたかとおもったら叫びだす主人公には、おもわず笑ってしまいました。
(孤独な無人島で限界を迎えた主人公をよく表している良いシーンなのですが)
島から帰還したあとは、
恋人が再婚してたのもベタではありましたが、(もしかして本作が初めなのかもしれないが)、時の流れを感じさせる良い演出ですよね。
でも寂しい…時が経ってしまった現実とそれによる2人の距離感…
去り際のシーンは、
別れのキスとゆっくり去る車…そして追いかけ抱き合う2人…もう最高でしたね…
ラストの交差点のシーンも、
どこまでも続く道、前にも後ろにも横にも広がっている道。これからはどこへでもいけるんだという自由が示されていて、希望に満ちた終わり方でよかったです。
最後に、
全体的にスローなテンポでしたが決してテンポが悪いわけではなく、自然の中でのスローライフをのんびりした空気感が楽しめる映画でした。
日曜日の夕方くらいにのんびり観たい…
あっと驚く展開とかは無い作品ですが、そこが逆に作品に安定感と安心感をもたらしているきがしましたね。
無人島漂着モノの祖となる存在として、各所でオマージュ・リスペクトを認める本作は一見の価値のある面白さした。
ぜひぜひ。
だむ