フルートベール駅で(2013年)
フルートベール駅で(2013年)
監督ライアンクーグラー
脚本ライアンクーグラー
個人的好き度 ★★★☆☆
去年の年末に観た『ブラックパンサー』が凄く良かったので、同じく監督・脚本作である『フルートベール駅』を鑑賞。
実際の事件を元にした映画であり、丁寧に取材を重ねて作られただけあってリアリティある内容となっていました。
テーマとなってるのは黒人への差別問題であり、社会への問題提起がなされていました。
そしてただの風刺だけでなく、映画としてキャラを深める映し方、どこか漂う暗い雰囲気の表現かとても良く、後半のシリアスな展開も無理矢理な悲嘆の演出ではなく、リアリティある淡々とした中の悲しみという空気が伝わってきてとても良い映画でした。
個人的な好みとしては実話をもとにした映画は脚本が上手くない場合が多くあまり好きではないのですが、
今作も脚本として、ストーリーとして"面白い"というものではなかったです。
しかし、社会への問題提起・事件の記録映画としては、とても雰囲気の伝わるこれ以上ない出来だったのではないかとおもいます。
これもまた映画という多面的な媒体の良さだなぁとおもいました。
いい意味でドラマチックでない内容で、伝えたいことがずっしりと伝わる良い映画でした。ライアンクーグラー、やっぱり凄くいいですね。テーマへの理解と適切な脚本、それを表現する力がある監督です。
社会の中で生きる1人の人間を通して、生と死という重いテーマを描ききった良作でした。
長い映画ではないのでぜひ観てみて下さい。
だむ